🍂はじめに:九重の奥地、静寂に包まれた秘境「黒岳」へ
九州の名峰、九重連山。その中でも、豊かな原生林が残り、一際静寂な雰囲気を漂わせるのが黒岳(くろだけ)です。高塚山(1,587m)を最高峰とし、天狗岩など複数のピークを持つ黒岳は、紅葉シーズンになると、ブナやミズナラ、カエデなどが織りなす「黄金色の森」へと姿を変えます。
今回は、九重連山の定番とは一線を画す、大人のための静かな秋の秘境ハイク、黒岳(天狗岩)への紅葉登山をご紹介します。
⛰️ルートハイライト:男池から始まる「光葉の森」
黒岳登山の主なルートは、男池(おいけ)登山口からスタートします。

男池登山口:日本百名水に選ばれた「男池湧水群」がある場所。清らかな水と澄んだ空気が、登山への期待を高めてくれます。(※登山口では管理協力金が必要です)
ソババッケ周辺:登山道を進むにつれ、ブナやカエデなどの自然林の色彩が濃くなっていきます。黒岳が誇る「くじゅう一の自然林」が仕掛ける黒魔術とも表現される、圧巻の紅葉が広がるエリアです。

風穴:道中の見どころの一つ。

天狗岩(1,556m):高塚山山頂の手前に位置する岩峰。ここからの眺めは素晴らしく、紅葉に染まる山々の景色を満喫できます。

特に、風穴から天狗岩への分岐にかけてのエリアは、苔むした岩と色鮮やかな紅葉のコントラストが美しいと評判です。

九重の紅葉の定番といえば大船山などが有名ですが、黒岳はそれらとは異なる原生林の深い色彩と苔むした静かな雰囲気が魅力です。

💡紅葉の見頃と注意点
紅葉の見頃時期
九重連山全体では10月中旬から11月上旬ごろまで紅葉が楽しめますが、黒岳は例年10月後半に見頃を迎えることが多いようですが今年2025年は色づきが遅く、11/6登山時点では8合目以上で紅葉のピークと言った感じでした。標高によって色づきが異なるため、最新の情報をチェックすることをおすすめします。
登山時の注意点
黒岳は、他のくじゅうの山々とは異なり、やや難易度の高いエリアも含まれます。
足元に注意:風穴から天狗岩分岐間の斜面は、こぶし大の岩がゴロゴロしており、足場が悪い箇所があります。
滑落・落石の危険:雨上がりなどで足元が濡れている場合は、岩が滑りやすくなるため、特にスリップや落石に細心の注意が必要です。
防寒対策:標高が高いため、休憩時や早朝は冷え込みます。フリースや雨具などの防寒着を必ず持参しましょう。
男池駐車場:道向かいに公衆トイレがあります。早朝など管理人が不在の場合は、下山時に協力金(100円)を支払うようにしましょう。
📸編集後記:静かなる秋の贅沢
九重連山・黒岳の紅葉登山は、燃えるような色づきだけでなく、ブナ林の深い静寂と苔の緑、そして清流の水の音に包まれる、五感を刺激する贅沢な時間です。
街の喧騒を離れ、自然の奥深さに触れたい大人の登山者にこそ、この秘境ハイクを強くおすすめします。美しい景色と達成感と共に、心が洗われるような静かな秋のひとときを楽しまれてはいかがでしょうか。
































