ながさき山人

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多良山系の山々

◆多良岳山系について

長崎佐賀の登山者に愛される多良山系は、長崎県と佐賀県境に位置する山々からなっていて、古くから山岳信仰の対象となってきた「多良岳983m」をはじめ、山域の最高峰「経ケ岳1078m」「五家原岳1057m」などのピークからなります。このページでは、多良山系の山々へ大村市の黒木から登るコースを中心に紹介しています。
 
多良山系は、長崎県内の山の中では本格的な山登りが楽しめるという事で地元の登山者に人気のエリアですが、登山道には岩場や沢沿いの急斜面のトラバースがあったりと、落石や滑落などへの注意も必要となります。また表識やレスキューポイントの表示などはある程度整備されていますが、目印のテープがあまりなかったり初心者の方には登山道がわかりにくかったりする所もあるので道迷い遭難や滑落事故なども発生しています。
 
多良山系の山へ登る場合は、できるだけ早い時間の出発を心掛けましょう。また、ご家族の方へ登るコースを伝えておいたり、登山口のボックスに登山届けを提出したりすることもお忘れなく。雨具・防寒着・ヘッドライトなどの装備も怠りないようにお願いします。万一、ケガなどをした時に重大な状況に陥るリスクが高い単独での入山は避けられた方が懸命かと思います。携帯電話が圏外になるところも多いので十分注意して入山されてください。
 
また、多良山系の中心部には、九州では唯一、管理人がいる有人(土日祭日)の金泉寺山小屋があります。休憩・宿泊にぜひご利用ください。
 
多良山系概念図kyouka-gainen
多良岳金泉寺の山小屋
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◆黒木の登山口までのアプローチ 
(高速道路から) 大村インターで高速を降りると、変形5差路の交差点に出ます。ここを右折して、国道444号線で、鹿島黒木方面に向います。萱瀬ダムを過ぎ、鹿島方面への道を右に分けて、左に下るように進みしばらく走ると黒木の集落に出ます。左に大きくカーブするところから直進する小さな橋を渡りそのまま進むと左側に20台ほどの登山者用の駐車場があります。ここにはきれいなトイレもあります。さらに進んで左へ行くと4~5台ほど車を置けるスペースがあります。なお、どちらも満車の場合は来た道を戻り先ほどの橋を渡り右へ行くと県営の駐車場(20台ほど?)があります。
(佐賀県側・平谷トンネルから)鹿島市側からのアプローチです。国道444号線で、鹿島から大村方面・平谷への案内にしたがって走行すると、平谷トンネルにでます。トンネルを抜けて、しばらく下り気味に走ると、右に黒木方面への案内があります。後は上記と同じです。 
 
◆多良山系の登山コース

※多良山系の沢と岩についてはこちら

黒木から多良山系の稜線に登る主なコースとして、黒木~西野越、黒木~中山越、黒木~ツゲ尾、黒木~横峰越などがあります。これらのコースに、横峰越~五家原岳~西野越~金泉寺~多良岳~中山越~経ケ岳~ツゲ尾を結ぶ稜線の縦走路を組み合わせ、日程と体力に応じたコースを歩く事になります。以下、コースの例をあげてみました。
 
①金泉寺下林道登山口~金泉寺(往復)(お手軽コース)
≪記録≫2023.07.31
昼からちょっと時間が空いた時や、山でお昼ごはんでも食べたいな~という時は、このコースがオススメ。小さい子供さんでもOKです。多良岳横断林道でアクセスします。
 
②黒木~金泉寺~黒木(一般コース) 
≪記録≫2020.08.02
多良山系の人気ルートですが、足場が悪かったり急登があったりと侮れません。山小屋のある金泉寺でノンビリしましょう。このコース上には夏に咲く名花「オオオキツネノカミソリ」の群生地があります。(画像はオオキツネノカミソリ)
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③ 黒木~金泉寺~多良権現~座禅岩~六体地蔵~金泉寺~黒木(一般コース)
多良山系の山岳信仰の歴史を感じることができるコースで、私自身この山域で最も好きなコースです。座禅岩と言われる展望の良い岩の上はインスタ映えする人気のスポットです(事故がないようにご注意を)。また、コース上にいらっしゃる六体地蔵さまは、岩壁の下にひっそりとたたずんでいて、どのお地蔵さまも美しいお顔をされています。凛とした空気に包まれ厳かな気持ちになります。(画像は座禅岩)
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④五家原岳~中岳~西野越~金泉寺(往復)(一般コース) 
≪記録≫2021.05.03 2023.04.30
五家原岳まで車で上がって、手軽に登山を楽しみましょう。いきなり急な下りで始まるので、雪の時などは注意してください。このコース上には、シャクナゲも多いので花の時期にはいいコースです。金泉寺の下の林道からスタートしての逆コースもいいと思います。   
 
⑤黒木~五家原岳~西野越~金泉寺~黒木(やや健脚向き)
≪記録≫2020.08.23 2012.12.24  
五家原岳には車道が上がってきていることもあって、いまいち人気がないようです。 しかし、このコースはなかなか変化があっていいコースです。冬には、凍りつく滝も見られます。五家原岳から西野越までの尾根道には、シャクナゲが咲きます。
 
⑥轟・大渡橋~小松尾公園~金泉寺~多良権現~林道~大渡橋 (一般向き)
轟の滝の上流にある大渡橋から金泉寺・多良岳を周回するコースです。渓流沿いのこのコースは夏でも暑さ知らず。シーズンには名花「オオキツネノカミソリ」が咲きます。   
 
⑦黒木~中山越~金泉寺~西野越~黒木(一般コース・やや難路)
≪記録≫2020.08.16     
ウナギレ沢を何度か渡るこのコースは、雨の後は靴を濡らすかも知れません。渡渉後などは、ルートを見失わないように慎重に。また、沢への転滑落に注意が必要です。夏でもヒンヤリして涼しい山歩きが出来ます。
 
⑧-1.黒木~つげ尾~経ケ岳~平谷越~中山越~黒木(健脚向き)
黒木から経ケ岳を目指すには、最もオーソゾックスなコースといえますが、標高差700m以上を登ることになりますので、そこそこキツイです。このコースは道標も整備され、何ケ所か出てくる岩場には鎖やロープが設置されています。山登りの基礎体力さえあれば、多良山系の最高峰「経ケ岳」の山頂を踏むことができるので達成感に満たされる事と思います。
 
⑧-2.黒木~中山越~新道~経ケ岳~平谷越~中山越~黒木
黒木からウナギデ沢沿いに登るコース。夏場でも涼しさ山歩きが楽しめます。一部注意が必要なところもあります。
≪記録≫2021.09.18 2023.01.22
 
画像は黒木登山口から見た「経ケ岳」
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⑨ 平谷から経ケ岳(一般向き・やや健脚かも)
≪記録≫2013.11.09 2021.03.07
静かな山歩きが楽しめます。多良山系の最高峰「経ケ岳」に登るには最っとも易しいと言えますが、それなりに険しいコースなのでそのつもりで。                    
 
⑪南登山口~郡岳往復(一般向き)
≪記録≫2020.01.19 2023.02.11
多良山系の西の端にある「郡岳」は展望のいい山として知られています。楽しいハイキングをお楽しみください。
 
⑫西登山口→坊岩→郡岳→南登山口(一般向き)
≪記録≫2020.12.26
登山口と下山地点が違いますので、車をデポしておく必要があります。私たちはロザモタ広場に車をデポして、別の車で西登山口に車で移動して出発しました。登山口と下山地点との距離はそれほどの距離ではないので健脚の方は車道歩きする方も多いようです。
 
⑬南ノ川内林道登山口~摩利支天宮~鳥甲岳~登山口(一般向き)
≪記録≫2019.11.17 2023.02.17
2時間程度の行程ですが、ほとんど登山者がいないので初心者だけでの入山は控えた方がいいかもです。大村市の歴史を調べてからこのコースを歩くとこの山への理解が一層深まると思います。
 
⑪郡岳~経ケ岳~多良岳~五家原岳~大花山~鳥甲岳~砂防公園(健脚向け)
≪記録≫2014.03.17
多良山系一番の長大な縦走路です。途中、金泉寺山小屋1泊入れても楽しいかと思います。主稜線から外れた「多良岳」「大花山」にも立ち寄り完全踏破となりました。ワンデイでやるにはかなりの体力とスピードが要求されます。
 
※多良山系の沢と岩、ヤブコギについてはこちら